Moza R3 長期使用レビュー
Moza R3 購入してから約 1 年が経過したので、現時点でのレビューを残しておく。
経緯
- Thrustmaster T150 を3年ほど使用していたのだが、パドルシフトの調子が悪くなったため買い替えを検討
- 予算は ~7 万円ほどで、PC でのみの使用を想定
- やっぱり新しく買うならDD方式が良いなと思い、その中で最安であった Moza R3 を購入
- なお Cammus C5 も検討したが、YouTube等のレビューを見るとソフトウェア面で不安がありそうで、クイックリリースもないため選択肢から除外
感想
DDのフィールドバックは世界が変わる
- 画質で例えるなら、T150は360p、R3は1080pといった感じ
- トルクはそこまで変わらずとも、圧倒的な違いを感じる
- 特にセルフステアの速度とレスポンスが素晴らしく、ドリフトのコントロールが非常にしやすい
- T150ではセルフステアではカウンターが間に合わないので、人間が頑張って回す必要があったが、R3ではセルフステアに任せておけば勝手にドリフトしてくれる
- これはスポーツ走行時でも感じることができ、かなりスピンしにくくなった
トルクは3.9NmとDDの中では控えめだが、普通に走る分には十分
- DDの中では最も軽い部類になるが、市販車などで走る分には十分なトルク感
- 一般的な実際のセダンやコンパクトカーのトルクは 2~3 Nm と言われており、R3 はその位の重さだと思ってもらうと分かりやすいと思われる
- そもそもこの価格帯で比較すべき対象は T300 RS (3.9 Nm) や G923 (約 2 Nm) であり、これらと比較すると同等もしくはそれ以上の重さ
- 最大トルクで動かすと、少し手が疲れるくらいには重い
- 逆にこれ以上重くなるとテーブルでの固定が困難になるため、テーブルでの使用を想定するならこの位の重さがベスト
- ただし、GTカーなどで走ると物足りなさはある
- R3のトルクではフィードバックの正確性と重さを両立させるのは難しい
- ゲーム側でFFBを強めに設定すると、ハンドルはそこそこ重くなる
- ただし、こうするとコーナーでクリッピングが発生するため、詳細な路面のフィードバックが得られなくなる
- 早く走るためにはクリッピングが発生しない程度にFFBを弱める必要があるわけだが、そうするとハンドルが軽くなりすぎる
- 実際のGTカー相当のFFBをクリッピング発生しないレベルで再現したいのならば、恐らくR12以上が必要になると思われる
- R3のトルクではフィードバックの正確性と重さを両立させるのは難しい
ペダルは床において利用できるレベルの軽さ
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付属のペダルは軽め
- ブレーキが軽く油断すると踏みすぎてしまうので、ABSなしはきついかも
- オプションでブレーキを重くするキットが売られているので、それを買えば多少マシになるかも?
- ただしこれ以上重くすると床に置いての利用は不可能になるだろう
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ペダル付属のゴムはかなり滑りやすい
- そのまま置いて使うと、ブレーキ時などにペダルが動く
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耐震マットを下に敷くとかなり安定する
- ベタベタしているのでつけ外しはほぼ不可能だが、ブレーキ時などもかなり安定するようになった
- ずっと使っているとゴムが動きに耐えられず千切れそうになるので、定期的な交換が必要かも
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なお私は途中で折り畳み可能なコックピットを購入したため、現在はそちらに固定している
クランプについて
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クランプは全て金属製でかなり耐久性が高そう
- T150はプラスチック製であったため、過去に2回割れた
- 最後はモノタロウで業務用の丈夫なクランプを買ってそれを使用していた
- R3はかなり丈夫で、今のところ全く問題がない
- T150はプラスチック製であったため、過去に2回割れた
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ただし、木製テーブルの場合は注意が必要
- T150にも言えることだが、木製のテーブルにつけると振動でテーブルが傷つく
- 私はIKEAの3000円の天板を使っているので諦めてテーブルが削れても放置しているが、気になる人は注意が必要
ソフトウェアやゲーム側での対応はそこそこ良い
- 一部ゲームではMoza R3を認識せず、自分でFFBやボタンマップを設定する必要がある
- これはThrustmasterではほぼ無かったので、この点は少し面倒
- ただし、公式で設定ガイドを提供しているためこれに従えば大体問題ない
- ソフトは使いやすいがやや重い
- Thrustmasterは簡素なUIで設定項目も少なったが、Mozaはゲームごとのプリセットなどもあり細かく調節できる
- やや重い感じがする(常に200MB程度メモリを消費する)が、常に起動するものでもないと思うので許容範囲だろう
耐久性は微妙?
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現在使用から1年経過しているが、ステアリングとの接続部分(QR部分)に損傷が発生している
- 使用中に突然ステアリングの接続が切れ、ボタンが反応しなくなる不具合が発生している
- ただし、QRはハンコンにおいて最も不具合が多い箇所であり、Fanatecなど他社でも発生してること
- Mozaだけ特別に耐久性が低いと言い切れないかも
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現在Mozaのサポートに問い合わせ、QR部分の交換用パーツを送ってもらっている
- 交換用パーツは無料で送ってもらえそう
- 交換用の動画が送られ、これに従って自分で交換するようにとのこと
- 私は自分でやると言ってしまったのでわからないが、頼めば向こうで交換もしてくれそう?
サポートについて
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Discordのサポートチャンネルに問い合わせると、爆速で返信が来る
- 私の場合は大体5分以内に返信が来た
- 全部のやり取りを含めても1時間以内には原因が分かり解決の見込みがあるところまで行けた
- Discordなのでカジュアルに聞けるのですごく良い
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やり取りは全部英語
- Mozaに日本法人はない気がするので、小売店を介さない場合は基本英語でのやり取りになる
- ただし、現代においては優秀な機械翻訳ツールがあるので特に問題ないだろう
- 参考までに私はChatGPTやGemini、PLaMo翻訳を利用してる
参考までに私のやり取りの履歴を載せておく:
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Discordのサポートチャンネルに問題が発生している旨を報告
一応以下の内容を含めて送った:
- 問題が発生している動画
- 問題の発生手順
- 問題の原因に対する私なりの見立て(接触部分が悪そうなど)
- 試したこと(ファームウェア更新、キャリブレーション実施など)
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何回かやり取りをした後、QR部分の破損が原因だと判明。 交換のためにサポートチームにメールもしくはフォームから連絡するように指示される。
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指示に従い、メールで連絡。
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住所やシリアル番号、購入レシートなどを入力するフォームが送られる。
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フォームに必要事項を入力して送信。
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受理したので、なるはやで工場から出荷するとの返信。👈今ここ
(as soon as possibleとだけ書かれていて具体的な日付が書かれていないのが少し不安ではある…)
なお、1~6までのやり取りは大体2~3日で完了した。メールの返信も1営業日以内には来た。
テーブルでの使用について
以下の点に気を付ければ、テーブルでの使用も十分可能だと思われる:
- 木製テーブルの場合は、振動で天板が削れていく(これはどのハンコンにも言えることだが一応)
- 付属のペダルのゴムは滑りやすいので、下に耐震マットなど滑り止めを敷くとよい
ただし、できればコックピットを購入してそれに取り付けた方が良いだろう。
総評
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DDは圧巻。T150と比べるとフィードバック面で雲泥の差がある
- これはほぼ同スペックのG923などにも言えることだろう
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PS5非対応で良いならば、間違いなくG923やT150、T300 RSではなくMoza R3を買うべき
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耐久性に不安があるが、値段やビルドクオリティを考えるとMoza R3は十分お勧めできる